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更新日:2024年01月25日

カーリングのストーンは値段160万円?重さ20キロ?石は20年に一度しか採掘できない!?特別な石を使う理由

カーリングのストーンは値段160万円?重さ20キロ?石は20年に一度しか採掘できない!?特別な石を使う理由

「今日カラオケ行かない?」
「そだねー」
「いいと思うー」
冬季五輪以降、こんな“あるある”なやり取りをしたことがある人、きっといると思います。

2018年の平昌(ピョンチャン)オリンピックで銅メダル獲得によって人気が急上昇して、大きな話題となったのカーリングです。競技中のゆるっとした言葉遣いで人気を集めたカーリングですが、実際は「氷上のビリヤード」や「チェス」ともいわれる競技。投げたストーンの位置によって得点を競う競技なのですが、そんなミリ単位を競うストイックな世界だからこそ、競技で使われる用具も“ストイックな値段”であることをご存じですか? なんと、カーリングのストーンは○万円もするんです!

今回は、カーリングのストーンの重さと大きさや値段などについて見ていきます。

1試合分のストーンは約160万円! 高級な石が使われている理由

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重さ約20キログラムのストーンを円に向かって滑らせ、その数や位置によって競い合うカーリング。実はこのストーンには、ただの石ではなく、“超高級”な石が使われています。

その石は、カーリング発祥の地・スコットランドにある無人島、アルサグレイグ島で採掘されたもの。20年に一度しか採掘できない石、ともいわれるほどで、実際にカーリングで使うストーンは1個あたり約10万円もする高級品! サッカーや野球といった身近なスポーツに置き換えて考えてみると、10万円のボールを投げたり蹴ったりしているのと同じ…ともいえるかもしれません。初心者は思わず扱い方に困ってしまいそうですよね。

カーリングの試合では各チーム4選手が2投ずつ行うため、1試合には16個のストーンが使われます。つまり1試合分のストーンは約160万円。新車を買えてしまうほどの値段まで膨れ上がります。

…と、ここまできて、「氷の上で滑るなら、どこの石でもいいんじゃない?」と疑問に思った人もいるのではないでしょうか。しかし、アルサグレイグ島産の石が使われているのはちゃんとした理由があります。

それは、「氷上での動きを正確に予測できる」から。アルサクレイグ島は今から約6000万年前、マグマが急速に冷えて生まれた火成岩から成る島です。このときマグマが急速に冷えたことで、島の岩石の結晶の間には非常に小さな結晶が互いに入り組むようになりました。これにより密度が大きく、吸水性が小さい、強靭で均一な岩石が生まれたのです。

つまりアルサクレイグ島の石は、カーリングで使う上でダメージに強く、氷と接していても水を吸わないということ。カーリングではストーン同士が激しくぶつかり合いますし、ストーンの動きには氷上の溶けた水の膜も影響するともいわれています。そのためダメージに強く、水に左右されることのないストーンが求められます。カーリングはチームの狙い通りにストーンを滑らせ、ブラシでコントロールしていくことが何より重要。それを実現するために、氷の上でより正確に滑るアルサグレイグ島の石が使われているのです。

カーリングのストーンの重さと大きさについて

カーリングのストーンの大きさですが、公式によると、円周が36インチ以内(約91cm)、直径は約29cm以下、高さは4.5インチ (11cm) 以上、そして重さは17.24kg~19.96kgと、かなり細かく決められています。

加えて、ストーンの底面は中心部分が若干凹んでおり、直径約13cm、幅1cmほどのランニング・バンド (running band) と呼ばれるリング状の部分があって、ここの部分が氷と接する形になっています。

大きさはなんと、20kgもあるんです!!!

カーリングのストーンとお墓の石は同じ!? 実は身近な石だった!

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このようにカーリングのストーンには高級な石が使われていますが、この石の種類=花崗岩(かこうがん)自体は、実は日本人にとってなじみ深いものです。なぜなら、日本では古くから「お墓」に使われている御影石(みかげいし)と同じものだから。よーく見てみると、同じ質感や色合いに気付くはずです。カーリングのストーンの耐用年数は100年を越えるといわれていますが、何代にも渡って受け継がれていくお墓と同じ石が使われていると考えると、その耐久性の強さも納得ですよね。

そんなストーンですが、個人で用意するにはなかなかハードルが高いもの。それゆえに、カーリングが日本に輸入されてきた1980年前後の時点では正式なストーンが手に入らず、先人たちは金属製のビア樽やガスボンベを加工・溶接して「手作りストーン」を作り、競技を広めていきました。

実はこの手作りストーンを作っていたのは、「そだねージャパン」ことLS北見が生まれ育った街にカーリングを広めた人物、常呂カーリング協会初代会長の小栗祐治氏。溶接までして用具を作ってしまうだなんて驚きますが、そのような日本のカーリング黎明期を経て、実際にLS北見のメンバーの指導もしてきた小栗氏の努力があったからこそ、日本は五輪でメダルを取るほどの強さを付けることができたのでしょう。

まとめ

ほかにも当時はドラム缶をくり抜き、セメントを流し込んで作る手作りストーンもあったようです。「自分たちでストーンを作ろう!」という情熱を持った人たちがいなければ、今年の冬季五輪の名場面「そだねー」も生まれなかったのは間違いありません。

このようにスポーツはものづくりの視点でも楽しめます。あなたが好きなスポーツに使われている用具にも、意外なものづくり秘話が隠されているかもしれませんよ!

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