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製造現場ってどんな職場なんですか? 現場改善のプロ、「現場改善コンサルタント」柿内さんに聞きました

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更新日:2017年09月25日

    工場の仕事と聞いて、どんなことを思い浮かべますか? 「一人で機械をさわってるだけの仕事でしょ?」「同じことだけをずっとやっていればいいから楽チンそう!」…そんなイメージを持っている人もいるかもしれません。

     

    そもそも、工場とはどんな職場で、どんな人が働いているのでしょうか? たくさんの製造現場に独自のノウハウで改善指導をしている「現場改善コンサルタント」柿内幸夫さんに、製造現場の特徴や、そこで上手に仕事を進めていくためのコツをお聞きしました。

     

    話を聞いた人:柿内 幸夫さん
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    「現場改善コンサルタント」として数々の工場の相談を受け、製造ラインの改善指導を行ってきた、製造現場のプロフェッショナル。大手自動車メーカーに入社以降、40年以上に渡って改善指導に当たっており、日本だけでなくアジアや欧米の工場でもコンサルティング活動を行う。
     

    工場で起きる問題は、皆で向き合わないとなかなか改善しない

    −−まず、柿内さんの仕事でもある「現場改善コンサルタント」とはどういったお仕事なのでしょうか?

     文字通り、問題が起きている製造現場から依頼を受け、実際に足を運んでコンサルタントとして改善指導を行なうのが仕事です。製造現場では、製品を期日までに準備できなかったり、決まった品質を確保できなかったりといった問題が起きるのですが、その中でも一人で解決できるものはごくわずかなんですよ。

     

     製造現場の仕事は、基本的には一つひとつの工程でそれぞれが精度の高い仕事を目指す「部分最適」の繰り返しです。ですが、一人が仕事を完璧にやっていても、それぞれが向いている方向がバラバラなのでは結果につながらないんです。なので、私がコンサルティングを行なうときは、工場長からアルバイト、パートのおばちゃんまで、その場で働いている全員を一か所に集め、皆で喋りながら、現在の工場で起きている問題を洗い出していきます。そうすれば、簡単に解決する課題というのはたくさんあるんですよ。

     

    −−実際に柿内さんは、どういった方法で改善指導を行っているのでしょうか?

     よく提案するのが「工場の皆で、現場に置いてある不要だと思うモノを分類して整理する」ことです。必要ないものを片付けられれば人通りがスムーズで快適な職場になりますし、工場の役員がアルバイトの若い人に「これはなにに使うの?」と聞いたりすることでコミュニケーションが起きますよね。

     

     このやり方なら、立場に関わらず、役員から営業さん、実際に作業にあたっている人まで全員が一か所に集まって意見交換をするので、会社の中にある「組織の壁」を取り払うことができるんですよ。

    「みんな頑張ってるんだから、お前もちゃんとやれ」では意味がない

    −−その一方で、製造現場の仕事で上手く行っていなかったり、職場に居場所を見つけられず、強いモチベーションで仕事に取り組めていない人もいるかと思います。そんな人はどうすればいいのでしょうか?

     

     従業員のやる気を引き出せないのは、本人ではなく、基本的には上司が悪いんですよ(笑)。相談を受けている会社の社長さんから、「柿内さん、あいつにガツンと言ってやってよ」とお願いされることもあるんですが、やる気がない従業員に「みんな真面目に働いてるんだから、君も頑張らないといけないよ」と声をかけても、相手には全く響きませんよね。そんな正論は聞き飽きているだろうし、「そんなことわかってる」と突っぱねられてしまう。

     

     「やる気がないから、出させる」ではないんです。人に頑張って働いてもらおうと思うのなら、相手の至らないところを注意するのではなく、誰も注目していないけどすごいところを見つけて褒めてあげなければいけない。たとえば「先週のあの提案、とても助かったよ!」と言われれば、「じゃあ今週もなにか提案してみようかな」となるかもしれませんよね。「人を褒める」って「注意する」こと以上に大変なんですよ。

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    −−実際に、魅力を見つけてもらうことで仕事ぶりが変化したような人はいたのでしょうか?

     技術は持っていてリーダーシップも取れるのに、なぜだか現場の人から全く頼りにされない人がいました。その理由は、彼の喋り方がちょっと変わっているからなんですよ。普通に喋ったらバリトンボイスのいい声をしているのですが、大勢の人前に出ると緊張して喋れなくなってしまい、声が出ても裏返ってしまう。

     

     優秀な社員なので、会社としてはもっと彼に活躍してもらいたいと思っている。ですがこの調子では……というところで私にお願いされたんです。現在、どう彼にアプローチすべきか検討しているところですが、「今日のプレゼン、特に声が良かったよ!」「ときどき震えちゃうのを直せば、もっと良くなるよ!」と伝えてあげれば、彼も気が楽になるのかもしれません。

    製造現場は、“誰もが自分の居場所を作れる職場”

    −−他に、モチベーションを向上させることができたケースがあれば教えてください。

     

     まず、「やる気がない」っていう言葉がアバウト。「やる気がない」、「仕事ができない」ことにも種類があるんですよ。「やる気がないから仕事ができない」のか、「仕事ができないからやる気がない」のかをきちんと見極める必要があります。「仕事ができない」ことが理由なら、アプローチの方法を変えないといけません。

     

     以前のコンサルティングで、今の仕事を始めて長いのに、作業のスピードが一向に上がらない人に会いました。普通だったら「やる気が無いやつだな」で終わってしまうのですが、その人の作業を観察してみると、部品と部品を組み合わせたり、ネジを締めたりといった一つひとつの動作に無駄があり、時間がかかっていることがわかったんです。

     

     そこで、同じ処理を早くできる人と遅い人の作業をビデオで録画し、それぞれどういった作業をしているのか、当事者を含めてチームの何人かで分析を行いました。その結果、以前よりスムーズに作業できるようになり、見違えるように作業スピードが向上しました。また、部門全体のスピードアップにも繋がり、生産効率が20%上がった事例もあります。

     

     「今の仕事をしっかりできるようになる」ことも、仕事にモチベーションを持つうえで大切なんですよ。これまで以上に、同じ作業をテキパキとスムーズにできるようになったら純粋に楽しいですよね。技術を身につけることでやる気が生まれることもあります。

     

    −−−では反対に、製造現場で輝けるのはどんな人だと思いますか? もし事例があれば教えていただけますでしょうか。

     

     製造現場では、金髪に派手な服装といった、やんちゃな方がたまにいますよね。入ってきたばかりの頃は上司も先輩もびっくりするんですが、そういう格好ができるのは、人と違うなにかを持っていることがあります。周りの人の目を気にしながら自分の気持ちを押し通す、強いエネルギーがある人のはずなんですよ。だから、そのエネルギーを自分の役割に向けてもらうことができれば、いないと困る存在、現場のヒーローになれると思います。

     

     実際に、かつてやんちゃだった頃から今ではリーダーになった男性は、今もイキイキと働いています。「昔はとんでもない格好してたけど、今は普通になったね」なんて声をかけると、「俺も若かったんで……」と言って笑っていますよ。

     

    −−ありがとうございます。最後に、柿内さんの考える「製造現場の魅力」を教えてください。

     

     身近なところで行なう「小さな改善」は、なにもベテランの社員だけでなく、入ったばかりの人や、経験の浅い若い人でも提案することができます。皆が自分の役割にきちんと向き合えば、誰もがその場のプロフェッショナルとして、現場に「いなくてはならない存在」になることができますよね。製造とは、そんな「一人ひとりの居場所になることができる」仕事なんじゃないかな、と思っています。

    まとめ

    いかがでしたか? 製造現場は、皆で一丸となって一つのものを作り上げる、とても奥が深いところ。それぞれがそれぞれの仕事のプロフェッショナルだからこそ、皆が「自分の居場所」を見つけることができる職場なんですね。この柿内さんのアドバイスをもとに、自分にあった働き方を探していきたいですね!

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